沢村研究室


ユズ種子油の美白作用が明らかになりました。

沢村研究室
3年前よりユズ種子油についての研究を行ってきたところ、ユズ種子油にメラニン生成抑制効果のあることが確かめられました。その仕組みとして、ユズ種子油の塗布を4週間行い、肌の水分量やキメを分析。同時に試験管内実験を進めた結果、シミやソバカスの原因物質メラニンを合成するチロシナーゼの酵素活性を阻害し、メラニン量が減少しました。

沢村研究室

被験者健常成人27名にユズ種子油を塗布し、保水力、皮膚角層水分量の測定を行いました。 実験の結果、角層水分量は20才代群では平均値で120 %まで増加しました。また30才以上群においては水分蒸散量も減少傾向を示しており、これはユズ種子油が皮膚表面に広がることで、内部の水分蒸散を防ぎ、生体における皮脂膜と類似する効果が生まれたのではないかと推察されています。角層水分量の増加や水分蒸散量の減少は、ユズ種子油の保湿性をしめしています。

 

美白効果

被験者20名にユズ種子油を毎日4週間0.5ml塗布しました。その結果、メラニン量は塗布前に比べて連用4週後に有意に低下しました。また、この効果は塗布を止めて少なくとも2週間後までメラニン生成が抑制されるという結果となりました。

メラニンは皮膚の表皮基底層の色素形成細胞で合成され、ターンオーバーで表皮に送られます。メラニン合成系に作用する酵素はチロシナーゼという酵素であり、ユズ種子油にチロシナーゼ活性の阻害効果があることが、今回の実験で確認されました。

 

その他の成果

新しいチロシナーゼ活性測定法を開発 チロシナーゼ活性の測定は一般的に行われているが、油性試料に対する測定はこれまで困難とされてきました。その理由は、水系の酵素反応液に対して油試料は分離するためです。今回、私たちの研究グループは、水とも混ざり合う溶媒を使って、あらかじめ油試料から溶媒可溶性物質を抽出する方法を設定しました。この方法により、実際の油に換算して1〜300倍に相当する試料量で分析をすることができました。この新しい方法により、ユズ種子油をはじめ、ホホバオイルやスイートアーモンドオイル、オリーブオイル油性試料に対する新しいチロシナーゼ活性測定法を可能とした。

 

期待される効果

今回の研究で、ユズ種子油の美肌効果が明らかになり、キャリアオイルとしての有用性が明らかになりました。アロマテラピーでは、一般的にスイートアーモンドオイルやホホバオイル、グレープシードオイルなどが、精油を希釈するキャリアオイルとして使用されています。これらのキャリアオイルは、ほとんどすべてが輸入による外国産です。ユズ種子油は高知県ではぐくまれた、希少な純国産のキャリアオイルです。
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溝渕研究室


ユズ種子油がアトピー性皮膚炎、かゆみを抑制。

溝渕研究室
「アトピー症状のあるモデルにユズ種子油を塗布すると、患部のヒスタミン量が顕著に低値を示しました。この結果はユズ種子油に、アレルギー性皮膚炎症状を緩和する働きがあることを示唆しています。

細胞増殖促進機能の検証

正常ヒト繊維芽細胞(1056SK細胞)に対する細胞増殖試験を行いました。ユズ種子油を培養系に添加し、添加24時間後の細胞数を計測した結果、正常繊維芽細胞の細胞増殖が促進されるという結果が確認されました。この実験結果から、ユズ種子油には細胞増殖を促進し、皮膚の再生を促すアンチエイジングへの効果が期待されるともに、皮膚に生じた傷の再生・修復に寄与することが期待されます。

 

かゆみの軽減

肥満細胞とユズ種子油を16時間共培養した時に、ほぼ100%のヒスタミン放出を阻害する結果を得ました。この結果は、ユズ種子油にはかゆみの原因となるヒスタミンの放出阻害、つまり性皮膚炎の患部のかゆみを軽減する可能性を示唆します。

 

モデル試験

難治性アトピー性皮膚炎モデルを用いた塗布実験を行いました。モデルにアトピーの症状を誘起させ、ユズ種子油を塗布しながら経過を観察し、腫れや炎症具合などの皮膚状態を評価する皮膚スコアをつけながら評価を行った結果、ユズ種子油を4週間塗布続けたモデルにアトピー性皮膚炎様症状の緩和効果が確認されました。 このモデルの血液からアレルギー疾患時に上昇する、Immunoglobulin E (IgE)の測定を行いました。IgEはヒスタミンの放出に大きく関与しています。ユズ種子油を塗布した血中IgEは低下しており統計的有意差が認められました。また、同様に患部のヒスタミン量測定した結果、顕著に低値を示しました。

期待される効果

これまでの研究成果から、ユズ種子油はアトピー性皮膚炎様症状に対して治療効果を有していることが明らかとなりました。現在、多くの場合アレルギー性皮膚炎への塗布剤として、一般的にステロイド軟膏が用いられております。これらステロイド軟膏は様々な副作用のリスクがあります。 ユズ種子油はユズの種から得られる天然物であり、安全性が高く継続的に使用できます。また塗布剤として対処療法的に用いられるのではなく、アレルギーの仕組み自体に作用することから、皮膚炎の解消に非常に有効なのではないかと考えられます。

ユズ種子油をたっぷり使ったスキンケア品

洗う守る ピュアオイルボディローション ユズ種子油