今が旬の、タケノコを巡る
おんちゃんとイノシシのお話。
毎日、イノシシの罠をしかけに
山へ出かけるおんちゃん。
ある日のこと、いい大きさで、やわらかそうで
それはそれは美味しそうな、食べごろのタケノコが生えていました。
山の持ち主に知らせると、「どうぞ掘って食べて。」とのこと。
翌朝、ニンニンしながらタケノコの生えていた場所へ向かうと、
ウーン??
おかしいぞ???
あったはずの場所に、タケノコがありません。
残るのは、穴だけ。
「あぁ、惜しいこと。イノシシに先越された・・。」
と、がっくり肩を落としたおんちゃん。
すると、近くでガサゴソと物音がします。
音の鳴る方へ近づいてみると、
お腹いっぱいタケノコを食べた後のイノシシが
おんちゃんの仕掛けた罠にかかっているではありませんか。
「ほほう、こりゃあ、一本わしの勝ちじゃ」
タケノコは逃しましたが、タケノコを食べたイノシシは
おんちゃんの晩酌のおかずとなりました。